【No1】パパ、金はどうして偉いの?

【No1】パパ、金はどうして偉いの?


金はどうして偉いの?皆さんならなんて答えますか?

先日、中学1年生の娘から質問されました。「パパ、どうして金は偉いの?」


いきなり「金」を「お金」を基準に説明するのは、中学1年の愛娘には飛躍した説明になると思い、
娘が言った「偉いという言葉の基準」がどこにあるのかということからヒアリングしてみました。


彼女曰く、「だってオリンピックで1番強い選手は金メダルがもらえるでしょ。だから。」

なるほど「金メダル=一番すごい=偉い」というロジックか。
さてこの子にどのように言えばいいものか?

金メダルが一番偉い、では2番目は?銀メダル、3番目が銅メダル。
彼女の頭の中にはこの順番があるはず。
だとすれば、金は銀や銅よりも えらいという説明がつけば彼女は理解してくれるだろう。

さて金と銀と銅の中で金が一番偉い、このことを中学1年生にどう説明しようか?




中学1年生への説明

パパ:「金と銀と銅の根本的な違いは、地球上からの産出量の違いなんだ。
金も銀も銅も、地球の中にあるもので、金山・銀山・銅山など、山の地中にある場合が多いんだよ。」

「中学生なら歴史で「石見銀山」とか出てくるから、このことはまたその時に詳しく勉強してね。」

娘「へ~、山にあるんだぁ」

コロナが落ち着いたら、新潟佐渡に連れて行こうかと密かに次の家族旅行の場所を決め始めるパパ



パパ「あとはね~、飾り(装飾品)としての人気も強いよね~。」

「実は、古代エジプト文明で登場するツタンカーメン王は、黄金のマスクを所有していて、
これも歴史の教科書に出てくると思うよ。」

「金はそんなに昔から人々に愛されてきたんだよ。」

「人々に愛されながら、さらに産出量が少ないんだから、価値はどんどん上がるでしょ。だから偉いんだよ。」


お金と金の関係:大人説明用

1816年にイギリスで金本位制度が始まります。
ソブリン金貨1枚と1ポンドを同等の額と法律で定めたことがきっかけで、
金貨はいつでもイギリスのポンドと両替できると言う価値を得ました。

この時から「金」は「お金」という価値を正式に持ち、
さらにイギリスの通貨ポンドが世界の基軸通貨となることによって、
「金=世界に通用するお金」 という認識が生まれるようになりました。

ちなみに基軸通貨とは、世界が貿易をする際に使う共通通貨のことをさしています。

19世紀はイギリスが世界中の国々と貿易をしたこと、さらに貿易で使用されていたポンドは、
いつでも金に取り替えてくれるということをイギリスの法律が証明してくれていることから、
イギリスのポンドが世界中で使われるようになり、基軸通貨へと発展していきました。

第二次世界対戦以降、基軸通貨はイギリスポンドからアメリカドルに変わりましたが、「金=基軸通貨」という考え方は
変わらず、今日に至るまで「金はお金としての最高位の価値を保有している」ことになっています。

金は世界中のどの通貨よりも権威があるということなので、金は偉いとなるのですが、この流れで説明をするときは、
「①お金は偉い」ということと「通貨は価値がなくなることがある」ということを説明しなければなりません。

お金に心が奪われ、お金に振り回される、お金が原因で喜怒哀楽が発生する、
大人だったら細かく言わなくても大人の道徳心で理解してもらえる話ですが、
中学1年生にお金が綺麗とか汚いとか、人間の心を奪ってしまうとか、そういったことの説明はちょっと難しい気がしました。

さらに「通貨の価値」という問題については、大人ですら理解ができない、
あなたはなぜ金を持っているのですかとの質問に対し、「将来日本円が破綻するリスクがゼロでないから、
少しだけでも金を持つよう心がけています」と答えてくれる金の保有者はほとんどいないと思われるので、
これを中学1年の娘に話するのは非常に難しく思いました。

結局、今回の娘からの質問に対して、
私は「金は装飾品として人気があるにもかかわらず産出量がすごく少ない=希少価値が高い=偉い」と
説明をして終わりにしました。

普段はファイナンシャルプランナーとしてお金のことを話しているので、もう少し娘が大きくなってから、どこかのタイミングで現物の金をプレゼントしながら、金とお金の関係を説明したいと思っています。


まとめ 

金は古代エジプト文明のツタンカーメン王のマスクとして利用されるほど古くから人間に愛されてきました。その金が1816年イギリスの金本位制によって、お金の力も取得し、 King of MONEY として君臨するようになりました。

私の中では装飾品としての価値よりもキングオブマネーとしての価値の認識が強くあります。

皆さんはいかがですか?皆さんにとって金ってどんな価値がありますか?